毒親じゃないよ。

私は自分を信じられなくなったから心が壊れたんだなと、わかった。

親から言われたこと
友人から言われたこと
会社の人たちに言われたこと
お客さんに言われたこと
元恋人たちに言われたこと
先生たちに言われたこと
カウンセラーさんたちに言われたこと

はじめは子供は、周りの大人がいないと生きていけない。

だから、大人たちは、各々が思う「正しい方法」を信じて育てるしかない。
子供を守るために。

でも大人たちだって完璧ではないから、自分の未熟さや都合も混ざって
時々「その子にとって正解じゃない方法」を教えることもある。

どんなに真面目に勉強したって、その子の正解はわからないんだ。

だって、それはその子が人生を生きていく中で選び取っていくものだから。

少しずつ大人になっていく過程で「自分の感覚で選ぶ」ことをしていかないといけないんだね。

その中で「親に言われたこれが嫌だ」と感じたら、自分の感性で選び直す。
それが極端に現れたのが反抗期。

私はたまたま、親が教えてくれたことで合わないことが多すぎた。
だから毒親のように思えてしまっただけで、本当は毒親じゃなかった。

親の未熟さで苦しんだ経験すら、自分の血肉に変えてどう生きていくかを決めていくのが人生の生き方なんだなと思った。それがまだ見つからない時は、拗ねたり怒ったり、そういう感情がずっと続いていた。

私はこんなに年齢を重ねた今でも、まだ自分を信じきれなかったから、
だから個人の都合で私を批判する人の声に耳を傾け続けて自分を変えようとしてきたし、
変えても変えてもそういう声はなくならないから
何が正解かわからなくなった。

それで臨床心理士さんに”本当の答え”を聞こうとした。

でも先生が知っているはずがないんだ。

だってそれは私が決めなきゃいけないことだったから。

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