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私を辞めることはできない。

私は子供の頃から、なんでも自分でやりたかった。

できないことをできるようにするのが好きだった。

苦手なことを見つけると「できるようにしたい!」と奮闘するので、
必然的に苦手なことが減った。

どこへ行っても、人よりも早く物事を習得してしまうので、
嫌われることが増えた。相手の気持ちが理解できなかったのも問題かもしれない。

私は誰かと比べて1番になりたいんじゃない。
ただ、「物事ができるようになる」という過程が大好きなんだ。

でもなかなか誤解は晴れない。

人にバレないようにこっそりしていてもダメだった。

前の職場で、先輩から妨害を受けて仕事ができなくなった時に上司たちに
「あなたは”私は大した人じゃないですよ”って謙虚な顔してくるから、こっちが油断してるのに、実は実力があるから、そりゃあの人も腹立つよ。」と言われて、

「あ、もう無理なんだ。」

と悟った。

みんなは、私が今までどれだけ人から「生意気だ」「偉そうだ」と言われてきたかを知らない。
たった今しがた否定をされた「謙虚に見えるからいけない」という”謙虚なフリ”が、
私がどれだけ長い念月をかけて、社会に適応するために自分を殺して演じる練習をしてきたかを知らない。

先輩が騙されてイライラしたのなら、
それは私の長年の「自分を殺す努力」が身を結んだという証拠だった

なのに、同じ結果を得てしまった私の不毛さがわかる?

その時、これはもう私の性だから仕方がないんだ、と思った。

そしてその「努力が好き」という趣味は、
心の成長も例外ではなかった。

私は自分の中に子供っぽいところを見つけたら、「大人になるにはどうすれば?」と考え成長をはからのがもはやライフワーク。

そんな変な趣味を持っていたら、
年上の人よりも大人びてしまうことがよくある。

だから私は、いつも「先生」に潰される。

この悩みを相談したら、相談相手にイライラされる。

もう、これだけ失敗してきたんだからいい加減わかるでしょう。

「先生たち」や「先輩」や「カウンセラーさん」がいけないんじゃないよ。

私がずっと、人に受け入れられるために自分を曲げようとしてきたから不協和音が生じたんだよ。
私がずっと自分を信じられなかったから。

みんなに好かれる自分に変われると、自分に期待していたから。

私を辞めることは一生できないのに。

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