男性の苦しさ

私は、昔から子宮系が弱かった。

生理痛がすごく酷かった。毎月初日は動けない。

あと、テレビなどで、女性系の疾患の話をしていたり、
出産の話をしていたりするのを見聞きするだけで、子宮あたりが痛くなって冷や汗が出て貧血になる。

昔からずっとそうだった。

「もしかして女性系の疾患とか出産で亡くなった人の生まれ変わり?」と疑ってしまうくらい。
それくらい、自分の人生に心当たりがなかった。

CAの訓練では、機内で緊急出産があった時のために
生の出産映像を見て勉強するのだけど、あれが毎回地獄だった。

ある時、なんとか克服したいと思って子宮についての本を読んでいた時に
下腹部がどんどん痛くなってきてうずくまって寝ていた。

その時にふと、「あ、私の感情の源がここだったんだ」と思った。

上手く言えないけど、私の心とか、感情が生まれる「意志」を持ったものが子宮あたりに別人格でいるような感じで

「大切にしてこなくて、無視してごめんね」って思った。

その頃はちょうど、コロナでCAの仕事がなくなって、
人生で初めて”自分の身体の声を聞いてもいい”ような環境ができた頃だった。

初めて自分の意思に意識を向けたら、痛みが半分ぐらい減った。
嘘みたいだと思った。
あんなに長年苦しんできたのに。

時々「子宮系」の発信をしている人がいるけど、その意味がわかった気がした。
きっとあれを発信している人たちは、社会の常識に抑圧させて心身を壊して気がついた人たちなんじゃないだろうか。

当時お世話になっていた男性カウンセラーさんが、「子宮系」の発信をする人を嫌っていた。

私はそれで「子宮系」というものを知ったけれど、師事していた方がアンチだったので、「そんなにインチキみたいなものなのかな」と思ったくらいで、特に調べなかった。

でも、今ならわかる。

男の人たちはね、社会で「強い男性性」を求められるから、苦しいんだと思う。

男らしくあれ、泣くな、ちゃんと働いて家族を支えろ、

そうやって責任を押し付けられて、弱いところを封印させられてきた人たちに
今度は女の気持ちを分かれ、優しくしろ、なんて

要求しすぎなんだよ。

男性から女性性を封印させるように仕向けているのは私たちなのに、
自分には女性性を労われなんて、

いつも見ないふりをしてなんとか社会で戦っている男の人たちにその感覚を理解するのなんて難しいんじゃないかなと思う。

女に気を遣わせる前に、
あなたの感情だって大切なんだよ、
弱さを見せることはかっこ悪いことじゃないんだよ、って

自分を大切にしてもらわなきゃいけないのにね。

どうしたらこの社会の狂った歯車がきちんと機能するようになるのかな。

だからね、自分の感情を押し込めることで社会で戦えている男性に
「子宮系」なんて理解させようとするのが酷なんだと思う。

腹が立つと思う。

だから、アンチ子宮系の男性が多いんだと思うな。

だって、わからないから。

そもそも人って、「自分にはわからない」と思うのが怖いよね。
わからないものをわからないままにしながら、問いを持ち続けられる本当の強さだと思うんだけど、

何かしらとりあえずの答えが欲しくなってしまうものなんだよね。
だって不安だから。

でも私たちは、不安を感じることすら、男性から奪ってきたんじゃないかな?

だったら、子宮系の概念を「インチキ」「スピリチュアル」と言ってダメなものと結論づけて
自分から遠ざけるしかないよね。

でもね、本当は、
それは男の人にとって一番大切で必要なものなんじゃないかな。

「社会的な責任」を一旦横に置いて、自分の感情を大切にすること。
強くかっこよく見せなくてよくて、自分に優しくしていいこと。
結果や成果を優先しなくていいこと。

それは、身体的に子宮があるかどうかとは全く別の話。
抑えていた女性性を解放していいんだよ、っていうこと。

それを許した時に

「じゃあ今までの我慢はなんだったんだよ」っていう、怒りや苦しさを
受けとめていこう、あなたにはそれができるはずだよっていう話だよ。

これは男性の苦しみであり、追い詰められた男性性の苦しさの話。
女性ばかりが被害者じゃないよ。

そろそろ社会的に解放していかないと、どんどんと悪い方にいってしまうよ。

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